スキズ世界観考察① 後編
スキズ主軸世界線のストーリーまとめブログ後編です。
前編はこちら
MIROH以降から少しストーリーが複雑になりますが、その分理解するとMVの面白さが3250801倍増します!!!!!!!!!
STEP OUT!!!!!
4:MIROH
MIROHは迷路の意味。
Stray Kids "MIROH" M/V - YouTube
キッズにとって初めて飛び込む大人社会はまるで迷路のように複雑で意地悪な環境だったと思います。
I am YOUで遠くに眺めていたCIty Jungle(シティジャングル・ビル群)に足を踏み入れると、そこには権力を振りかざす支配者と洗脳されたように賛同する大人の姿が。
キッズはこの支配者がかつてDIstrict9の施設で洗脳機関を作っていたのだと悟り、間違った世界に革命を起こそうと動き出します。
まずはアイエンがセレモニー会場の監視カメラを見ながら内線で指示。
他のメンバーたちは一般市民に紛れてセレモニー会場に潜入します。
リノを先頭にして突撃。
大慌てで壇上から立ち去る支配者たち。
キッズが支配者から権力を奪い取りました。嬉しいことにスキズには賛同者もついています。(画像下で手を掲げている人たち、おそらくSTAYの比喩)
最後はCIty Jungle(ビル群)の中に身を置くスキズのカットで終わります。もう社会を眺めるだけのキッズではありません。革命を起こしたのです。
MIROH:補足
Clé1:MIROHの収録曲にある「승전가 (Victory Song)」のUNVEIL動画にて革命を宣言する台詞があります。
Stray Kids <Clé 1 : MIROH> UNVEIL : TRACK "승전가(Victory Song)" - YouTube
We are Stray KIds, the owners of Cle. -僕らはStray Kids(彷徨う子供たち)で鍵の持ち主だ。
Our beginning is District 9. -始まりはDistrict 9(第9地区)から。
We break the frame, escape the system and go beyond the fixed line toward STAY. -枠組みを壊し、システムから逃れてSTAY(居場所)に向かって境界を越えていく。
5:Side Effects(副作用)
革命を終えたスキズを待ち受けていたのは悲惨な結果でした。
↓カムバ前に出されたトレーラーより物語は続きます。
Stray Kids "Clé 2 : Yellow Wood" Trailer - YouTube
キッズはエレベーターに乗り込み次の目的地へと向かいます。
ドアが開くとそこにはMIROHの支配者がまた同じように権力を握っていたのです。
タイムリープ?過去に戻ってしまったのか?違います。
「The world is the same(世界は同じ)」のプラカードを持つ支持者の姿。何度革命してもこの権力構造を変えることはできないのです。
そこでバンチャンは鍵を取り出します。
エレベーターに鍵を差し込むと「YW(Yellow Wood)」へのボタンが押せました。
City Jungleでの革命に失敗したキッズたちは、今度はYellow Woodで新たな冒険を始めることになります。
Yellow Wood:ロバート・リー・フロストの詩に登場。旅人が黄色い木を分岐として2本に枝分かれした小道にさしかかる。あえて足跡のない道を旅人は選びました。
そしてSide EffectsのMV/teaserに繋がります
Stray Kids "부작용(Side Effects)" M/V Teaser 1 - YouTube
エレベーターを降りるとそこには1本の黄色い木。
そしてキッズは2択を迫られます。
「迎えに来たバスに乗り込む」か「バスには乗らず自分たちで前に進む」か。
バスを使えばどれだけ楽な事か。
しかしそれは危険な一歩となります。
なんとバスの運転手はMIROHでの支配者、そしてバスには支配者のモチーフであった”獅子”の飾り。
Stray Kids "부작용(Side Effects)" M/V - YouTube
無事にバスに乗らない決断をしたキッズは自分の足で歩き始めます。そこに出現する2つの月。
歩いた先で乗り捨てられたトラックを発見しました。全員で乗り込みリノの運転でさらに先へと進みます。
しかし草原の途中で行き止まり。これ以上は進めません。
その様子を写真で記録するスンミン。スンミンの行動がのんきに思えたのか突如ブチ切れてカメラを投げ捨てるヒョンジン。
ヒョンジンのこの極端な激情は革命失敗による”副作用”だと考えられます。
喧嘩していても仕方がないのでまた別の道をトラックで走り続けます。
しかしキッズの行動は全て支配者にバレているのでした。
監視カメラにはトラックが映り込んでいます。そもそもこの乗り込んだトラックにはMIROH支配者の”獅子”の刻印。
バスに乗り込んでも乗り込まなくても結局は支配者の思い通りとなってしまうのでしょうか。
いや、スキズは支配者に抵抗し続けます。
追跡するライトに照らされてしまいますが、今度は自分たちの足で草原を駆け抜け逃げ切る選択をしました。
そしてMVはヒョンジンが横たわるシーンに切り替わります。
革命失敗の副作用が強く出現したヒョンジンは意識を失っていました。
いつからヒョンジンの夢の中だったのでしょうか。Yellow woodのバス停から?支配者の監視にバレた夜道から?
正解はわかりませんが、どちらにせよスキズは支配者に捕まることなくまだ冒険を続けます。
6:Double Knot
Side Effectsで支配者から逃れたスキズ。しかし監視の目は続いていました。
Stray Kids "Double Knot" M/V - YouTube
DIstrict 9と同じようにドローンの監視カメラ。
それでもスキズは冒険を続けます。
MVにはまだ使い道のわからない鍵がそろっています。この鍵で開く新しい世界を目指してスキズは歩みを止めません。
MVの最後は「The Owners of Clé(鍵の持ち主)」の文字が現れます。これはVictory SongのUNVEILでも使われた言葉。たとえ革命に失敗してもスキズに必要な鍵はまだ手元にあるのです。
7:Astonaut
スキズは一度I am YOUでアジトにした廃ビルの屋上に戻ります。
Stray Kids(스트레이 키즈) "Astronaut" M/V - YouTube
左:I am YOU 右:Astronaut 同じ回転遊具で遊ぶ。
そんな中副作用が強く表れていたヒョンジンがあるものを発見します。
音が鳴り、何かを知らせてくれているような球体。
得体の知れない”何か”に導かれるようにしてヒョンジンは走り出しました。
進む先には数々の障害物が。
これまで通過してきたMIROH~Side Effects~Double Knotのモチーフと少し似ています。
それでも”何か”が呼び続けます。ヒョンジンはこの球体の声を道しるべとして進む足を止めません。
雷が轟く暗い一本道をヒョンジンは孤独に彷徨い続けます。
そしてついに声の元にたどり着きました。
ヒョンジンをずっと呼び続けていたのはバンチャンでした。
実はこのAstronautのMVは革命失敗の副作用が出たヒョンジンの心象を反映しています。
I am YOUの時に戻り誰にも干渉されず自分たちだけの楽しい空間で過ごしたい。冒険に対する恐怖心が強くなり一人で葛藤していました。
しかしバンチャンはそんなヒョンジンの手を放すことなく、全員で先に進めるように呼び戻したのです。
そんなバンチャンの声を聞きヒョンジンは副作用を克服して他のメンバーと同じようにドアをくぐります。
8:바람 (Levanter)
Astronautで一致団結したスキズは再び街中を彷徨います。
Stray Kids "바람 (Levanter)" M/V - YouTube
バンチャン、ハン、スンミンは廃れたエレベーターを発見しました。
中に入ると一枚の紙きれが落ちています。
紙の正体はバスチケット。これはSide Effectsで支配者がバスの運転手に扮装していた際に手渡していたものです。
今のスキズには必要ありません。
チャンビンとアイエンが歩いたトンネル内にも同様にバスチケットが落ちていました。
スキズにとって重要なのは「誰かの世界を乗っ取る事」ではありません。自分たちで「新しい道を歩む事」です。
バスチケットを燃やし過去の世界と決別します。
するとエレベーターが燃え盛ってしまいまいました。
代わりにHellevatorとよく似た紫色の草原と新たなドアが出現。
バンチャンが扉を開くと金色の草原が広がっていました。
次々と扉の中に入っていきます。
Astronautのヒョンジンのように迷って置いていかれるメンバーがいないように全員が先へ進むまで見届けるバンチャン。
扉の先には2つの月が昇っていました。
これまでのMV内でもよく登場していた2つの月。
ついに交わり1つの月となりました。
最後には「STEP OUT OF CLÉ(鍵からの離脱)」
つまり、鍵(与えられた道しるべ)を手放すことで新たな居場所を見つけることができ、分離していた月を元に戻す事ができたのです。
「スキズがなぜ冒険を始め、何を得たのか」が、Hellevator~LevanterのMVによって表現されていた事が少しでも伝わったでしょうか。
Levanterは特に意味深なシーンが多いですが、「つまりどういうこと?」という補完が公式から提供されているので以下の補足・考察も読んでいただけるとよりわかりやすいかと思います。
おまけ:補足・考察
「君と離れた瞬間、2つの月が重なり1つの光芒になった。」
GO LIVEのアルバム発売前に「プロローグ」として出された動画がLevanterまでの物語のまとめになっています。
以下抜粋しての翻訳
Stray Kids : Prequel (Highlight Reel) - YouTube
人は生まれつき違うという。しかし、私たちは同じシステムに洗脳された。では、どうすれば違う個人になれるのか?
私たちはここを抜け出して本当の自分自身を見つけることにした。……あなたと。
前に進むためにMIROH(迷路)に身を投げた。しかし、何も変わっていない。私たちは世界に背を向け、踏んだことのない道を選んだ。
私たちは恐怖と無力さを分かち合い、お互いに頼りあった。
私たちは拳に握っている鍵について熟考した。鍵は罠だった。私たちは歩んできた道について考える。
君と離れた瞬間、2つの月が重なり1つの光芒になった。
輝く光は私たちを本当の自分へと取り戻してくれた。おそらく最初から月を1つにできたのは私たちだったのだろう。
また、バンチャンがLEVANTERのINTRO動画にてメッセージを残してくれています。
Stray Kids [INTRO "Clé : LEVANTER"] - YouTube
「全ては無駄なことではなかったんだ」「自分がここまで来られた理由はこの全てを経験したからだ」
悩んでいること自体が正解。
皆さんがしている全てのことが正解かもしれないので、自分自身を信じて、やりたいことをやれば良いことが起こると思います。
以降は私自身の考察です。
D9では「個人として生きたい!」と意気込んで外の世界へ飛び出しました。
しかしいつの間にか「管理していた汚い大人にはなりたくない」「子供たちだけのこの空間が心地いい」と感じたI am YOU、「支配者の世界を乗っ取る!」と意気込んだMIROH、「この先に素敵なゴールがあるんじゃないか」と旅をしたSide Effectsなど少し目的が変わり気持ちにブレが生まれています。
この心配、葛藤、固執、挫折などの不安定な感情が2つの月として現れたのかなと。
しかし失敗してきた過去や負の感情を抱えていた自分のことさえ愛し、そのおかげで今の自分がいる事に気が付きます。
スキズにとって必要だったのは鍵(手段)やゴールではなく「個人として生きられる居場所」だったことを思い出します。
最後には鍵やゴールに執着していた自分•大人になりたがらない自分とは決別できました。気持ちのブレが無くなったことで月は1つに戻ります。
STRAY KIDS EVERYWHERE ALL AROUND THE WORLD
YOU MAKE STRAY KIDS STAY
スキズのシグニチャーフレーズ。
「世界中には迷っている人々がいる」
「そんな人々の居場所を作る」
道に迷っているのはスキズだけではなくどこにでもいます。
感情や思考を抑制し自分で自分がわからなくなってしまった人。
そんな人々の過去を全て受け止めたうえで新しい居場所が作れるように。
Levanterまでの物語はスキズ自身の居場所だけではなく
孤独に戦う私たちが1つに集まれる居場所を作ってくれた物語だったのかも。
考察おわり!
D9~今回の5starまで特にフィリックスやアイエンの単独行動が描写されている感じがあるので、個人を追っての考察はまた別に。5starカムバ後にしたいな。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
このブログの製作者:えねみ