IVE考察① ギリシャ神話
オタクは考察が大好きって、スタシさんよくわかってますね。
なんとIVEが考察界隈に殴り込みにきて下さったようです!!!『After Like』の予告が出た事でその方向性が明瞭になってきました。今からギリシャ神話のナルキッソスを元にIVEの世界観を読み解こうと思います。
まず、世界観を考察するにあたり参考にした本国の方のブログがあります。
↓こちらのブログを私の補足説明や解釈も加えながら日本DIVEが読みやすいようにまとめ直したものだと思っていただければ幸いです。
もくじ
ギリシャ神話ナルキッソスの概略
【ナルキッソスとはどんな話か】
初めにナルキッソス(以下ナルシス)のお話を簡単にお伝えします。
①ナルシスという美少年に妖精エコーが恋をする
②しかしナルシスは妖精エコーではなく水面に映った自分に惚れてしまう
③ナルシスは水面に映る姿は水の精だと信じ、自分だと気付かぬまま恋に溺れ死ぬ
こんな感じです。
【ナルシスの登場人物】
ナルシスのお話には色々な解釈や伝承がありますが、ここではIVEと同じ6人に登場人物を絞って挙げてみましょう。
①ナルシスという美少年
②水面に映ったナルシス自身
③ナルシスに恋した妖精エコー
④エコーの妖精仲間
⑤義憤の女神ネメシス *不当な人を罰する女神
⑥ネメシスの遣いでナルシスを撃ったキューピッド
これらの登場人物をIVEに当てはめてみました。
①現実世界のナルシス→ウォニョン
②水中のナルシス→イソ
③恋する妖精エコー→リズ
④エコーの妖精仲間→ガウル
⑤女神ネメシス→ユジン
⑥報復に加担するキューピッド→レイ
なぜこの配役なのか、順番に説明していきます。
『ELEVEN』と『LOVE DIVE』考察
【メンバーそれぞれの役割は?】
1️⃣現実世界のナルシス→ウォニョン
①ELEVENの歌詞
그날 향기로운 보랏빛의 mood
감히 누가 이렇게 날 설레게 할 줄
「あの日香る 紫色のmood 一体誰がこんなに私をときめかせるのか」
この歌詞はまるでナルシスがキューピッドに撃たれ自分に恋をしてしまう瞬間のようです。そして紫色は不安や快楽を意味しますが、ELEVENのMVで紫色を身に着けたのはウォニョンだけです。
ウォニョンだけが不安定な状態に陥ってしまったということでしょうか。キューピッドに撃たれて心まで操られたナルシスのよう…。
2️⃣水面に映ったナルシス→イソ
①ELEVENで紫色の瞳に見つめられているカット
イソの後ろに大きな瞳があります。その色は紫色です。これは水面を見つめるナルシスの瞳の表現ではないでしょうか。つまりウォニョンに見つめられるイソが水中のナルシスである可能性が高いです。
↓その後LOVE DIVEではウォニョンと表裏一体な表現が多い。
②ウォニョンと対になるヘアスタイル。一緒に妖精(エコー/リズ)のイラストが映っているのもこの2人だけ。
③同じパートを担当
Narcissistic, my god I love it
서로를 비춘 밤
「ナルシスティック、それが好きなの お互いを照らし出す夜」
鏡の中の自分に惚れるような歌詞と振付が特徴的なこのパートはウォニョンとイソが担当しています。
④同じシチュエーションのカット
ウォニョンが水の外、イソが水の中。 これらの事から現実世界のナルシスがウォニョン、水中のナルシスがイソなのではないかと思いました。
後ほど記載しますが、イソはただの鏡写しではなくウォニョンとは別の自我がありそうです。
3️⃣恋する妖精エコー→リズ
①ELEVENで女神ユジンの空間でくつろげている
※この背景のモチーフが女神ユジンのカットでも登場します。
②ELEVENでナルシスウォニョン/ナルシスイソとの3人カット
ナルシス2人と踊ったり行動を共にしているリズ。唯一ナルシスと直接の関わりがあったエコーではないでしょうか。ELEVENのMVでユニットカットがあるのはこの3人くらいです。(あとオーマイオーマイガしてるユジンガウルリズイソの4人カットがありますがよくわからないので飛ばします)
4️⃣妖精→ガウル
後述する報復に加担するレイとLOVE DIVEにて対になっているシーンが多い。なのでレイとは真逆の純真な妖精なのかな。 善がガウルで悪がレイ、みたいな。
①It's so bad it's goodは2人が担当
②綺麗な鏡 or 汚れた鏡
③矢を準備し人目を気にしながら行動するレイを見張っている
この③点からレイに敵対する妖精なのかな…と考えたのですが、いや違うかも…と思ってもいます。ガウルの役回りが一番曖昧です。考察中に生まれた疑問点は最下部にまとめて載せました。
5️⃣女神メネシス→ユジン
①ELEVENで全員から崇拝される振付
②ELEVENで何かを操ってる
ユジンから圧倒的なパワーを感じます。権力者っぽい。IVEの世界の全てを握っているということ…?
また、先ほどリズがくつろいでいた空間の背景はこのオブジェのものでした。
③ウォニョンと同じ行動をする=ウォニョンを操り自分の真似をさせている
例えばELEVEN
女神ユジンが水面を覗き込んでいますが、これはウォニョンを水面に導くためでは?
次にLOVE DIVE
女神ユジンが飛び込み台に座っていますが、これはウォニョンを飛び込ませるためでは? ※キューピッドに撃たれたのはウォニョンだけなので、ユジン=ナルシスとは考え難いです。
6️⃣報復に加担するキューピッド?→レイ
①LOVE DIVEのティーザーフォト
レイだけ悪魔のツノ◦羽◦尻尾が生えたハートがあります。しかも2カットとも。他の5人に悪魔のモチーフはありませんでした。恋を実らせるキューピッドは当然”善”だけど、ナルシスに報復の矢を撃ったレイは”悪”という意味なのかなあ。
②キューピッドとして招待されていない
これは色々な仮定を経ての推測なので他のメンバーよりも詳しく経緯を書いていきます。
【キューピッドパーティーの台詞の意味】
LOVE DIVEのティーザーで出たキューピッドパーティーフォトを公開された順に見ていきましょう。
ウォニョン①②
下部の文字を見てください。そのままの文章と[]で囲まれた文章があります。そのままの文章は写真内の人物の台詞、[]は写真外にいる誰かの台詞だと仮定してキューピッドパーティーのティーザーフォトを訳していきます。
上のウォニョンの①②カットは、
❓[パーティーコード:キューピッド]
ウォニョン「準備できたの?」
こんな感じで読み取ります。パーティーに参加できるのはキューピッドだけと決まっているみたいですね。
リズ①
リズ「サンシャイン、私こっちにいるよ!」
❓[私抜きでキューピッドパーティ?そんなわけないよね]
リズは無事にキューピッドパーティにたどり着いた様子。この台詞で一つ引っかかるポイントが。もし、リズがサンシャインという愛称を持つ誰かに呼びかけているとしたら?
つまり、❓=サンシャインだとしたら?
サンシャインって誰?
そこで、こちら。
IVEの2022年ウェルカムパッケージのコンセプトフォトです。A RAY OF SUNSHINE。レイちゃん(REI)とはスペルが違いますがこの言葉を元に、半ば強引に、レイはサンシャインと読み取ってみます。❓=レイと仮定して進めていっちゃいましょう。
リズ②
リズ「もう準備はできてるよ。はやく来て!」
レイを催促してるのかな。”準備”って、どんな”準備”をしていたの? そして右端にお花が映っていることをなんとなく覚えていて下さい。
ガウル①②
ガウル「会場? 階段405段目、雲の高さ1201フィート、666番目の庭園だよ」
レイ❓[待って、私遅れてるの?]
会場の場所まで完璧なガウル。対して遅刻しちゃってるレイ。
イソ①②
イソ「招待状は届いてますか?ごめんね、キューピッド専用だから。」
イソ「お花の贈り物をありがとう!*ささやき声*今回はあなたを招待しますよ」
招待状を持っていないと一度断られたのに花束のギフトで特別に入場できた人物がいる…。
それってまさかレイ…?
レイ①②
レイ「私どこに羽を置いてきちゃったんだろう…」
レイ「はい、どうぞ。」
どうぞって、何を渡しているの?イソに贈った花束のこと?それともこの画像に写っている別の物?
画像を良く見ると禁断の果実(リンゴ/誘惑の意味)を右手に隠し持つレイ。目の前には水が。リンゴとお水を渡そうとしている?つまり、水中に誘惑することを示唆してる?
ユジン①②
ユジン「このパーティーで私たちがやることはね…」
ユジン「LOVE DIVE!」
全てを知ってそうな女神ユジン。 知ってるというか、LOVE DIVEを企てた張本人のような気がします。
こんな感じで読み取ると、レイは純真なキューピッドではなく悪い事にも加担しちゃうような小悪魔で、キューピッドになりすましながら過ごしているのかもしれないなと思いました。
また、ナルシスウォニョンへの恋に破れたエコーリズはレイを仲間として迎え入れているかも。 サンシャイン/レイに話しかけているだけでなく、LOVE DIVEのMVにそれっぽいシーンがあります。
このようにリズにはお花に囲まれたカットがあります。MVでお花と映るカットは6人の中で唯一リズだけです。また先ほど花束を受け取ったイソを除くと、キューピッドパーティ画像でお花と一緒に映っているのはリズのみです。
これらの事から、リズはレイが持つ花束の”準備”を手伝ってる or 花束を渡して無事に入場できる瞬間を見守っているのかも。
【作詞者が語るIVEの世界観】
ここまでMVやティーザーから設定を決めてきました。ついに神の一手。作詞者からのコメントです。強い。
ELEVENとLOVE DIVEの作詞者は同じなのですが、インスタにライナーノーツ(作詞経緯)が載っているので読んでいきます。
1️⃣ELEVENライナーノーツ
https://www.instagram.com/p/CW8jKP1v5BE/
左:原文 右:パパゴ翻訳
①ここは小さく閉じ込められた世界
②部屋に小さな光が差し込んでいる
③この小さな光は花園にも水中にも見える
④どうやらこのプリズムは上から差し込んでいるようだ
⑤もしかしてこの光源は誰かの瞳(=紫色のウォニョンの瞳)かも?
ウォニョンの瞳に気づくということは、イソ視点でこのライナーノーツは書かれたのかな。
てか…ELEVENは三角プリズムの中の世界観なんだ。そういえばELEVENのMVは鏡張り三角形のカットから始まったなあ。そういうことなのか。
プリズム画像:https://wall.kabegami.com/detail/107758168/
2️⃣LOVE DIVEライナーノーツ
https://www.instagram.com/p/Cb9rwhnlWGl/
左:原文 右:パパゴ翻訳
①森の中に秘密の湖があった
②私/イソがこの湖が好きなのは、反射する自分の姿が好きなのかそれとも…
③見上げると彼女/ウォニョンに会える
④彼女/ウォニョンも見入ってるみたい
⑤今私/イソは彼女/ウォニョンをここに呼び入れたい
⑥一緒に沈んでこの先に何があるのか目撃したい
私=ウォニョンで読むこともできるけど、このライナーノーツも私=イソの方が読み解きやすいのでこんな感じで解釈しました。
ELEVENとLOVE DIVE両方ともイソ視点でライナーノーツを書いているのは何故でしょうか。作詞者さんはウォニョンとイソは鏡に映った同一人物ではなく、それぞれ自我を持った別々の登場人物であることを意図的に表現したのかなあ、と思いました。
世界観考察を元にした2曲のまとめ
では最後に広げた風呂敷を畳んでみようと思います。
ナルシス神話、MV、画像、作詞家さんのコメントから得た解釈を元に、ELEVENとLOVE DIVEそれぞれのストーリーを読み取ります。
1️⃣ELEVENのストーリー
①妖精エコーリズはナルシスウォニョンに恋をしたが叶わなかった
②小悪魔レイは女神ユジンから復讐の指令を受ける
③ウォニョンはレイに撃たれ自分自身と恋をする運命に
④ウォニョンは水面に映る人物を水の精だと思い込み恋焦がれる
⑤水中ナルシスイソは外からウォニョンに見つめられていることに気が付く
2️⃣LOVE DIVEのストーリー
①ウォニョンは水面に映る自分自身を見つめている
②イソはそんなウォニョンを愛おしく思う
③イソはウォニョンがこちらに飛び込むように誘い込む
④ウォニョンが湖へ飛び込むように操るユジン
イソが誘い込んでいるのはウォニョンへの純粋な愛と好奇心の末ですが、ユジンは報復のためにウォニョンを誘い込んでいます。つまり、イソとユジンはウォニョンへの動機が正反対です。
※ちなみにまだ飛び込んでいません※
MVで飛び込み台に座るカットはありますが、実際に飛び込んだシーンは無いです。またライナーノーツでも「私(イソ)は彼女(ウォニョン)をこの水中に呼び入れようとする」段階で止まっています。
ELEVENとLOVE DIVEがこんな感じの物語に思えてきました。
以上がギリシャ神話ナルキッソスを元にしたIVE世界観の考察です。
おまけ:考察ができていない2つのビデオ
強引に解釈をすすめてきましたが全ての動画・画像の内容が上手く噛み合っているわけではありません。A RAY(=RAI) OF SUNSHINEくらいの力技を使ってもうまく理解できていないシーンがあります。
1️⃣"DEAR. CUPID"
LOVE DIVEのプロモーションビデオです。これはキューピッドパーティー画像と同じように会話が繰り広げられていますが、これまでの考察と全く合いません……。
動画内でキューピッド=6人だと言い切っちゃってます。ナルシス(ウォニョン◦イソ)ってキューピッドなの?女神ユジンもキューピッドなの?
まあキューピッドの羽は着脱式っぽく何個も置かれてたりしてたし。
キューピッドパーティーは招待状があるなら誰でも(キューピッドじゃなくても)参加していいよーということかもしれないです。
もしくは、このプロモーションビデオだけIVEナルシス世界観とは無関係の、アイドルIVEとファンDIVEの世界観設定なのかもしれないです。よくわかりません。
2️⃣HAVE WHAT WE WANT
IVEデビュー予告として公開されたHAVE WHAT WE WANT(以下HWWW)の動画があります。
IVEのメンバーが「I HAVE…」と手に入れたい事を宣言しているような動画なのですが。
HWWWに映ったユジンのカットと『After Like』のデザインが似てるんです。
それじゃあHWWWも無視できないじゃん…。ここまでの考察はELEVENとLOVE DIVEからしてきたけども……。
ユジンは何か撮影中の設定なのかな。
私が解釈したIVEナルシス世界観に合わせてHWWWを少しだけ見てみます。
①監督役のユジンとレイ
ユジンとレイの2人だけカチンコを持っているカットがあります。つまり2人が世界を引っ掻き回す役、物語を作り上げる首謀者という意味なのかな。
②カメラを持っていたガウル
ファインダー素材:https://www.crazy-tutorial.com/ja/30228.html
ガウルはユジンとレイと同じく物語を作る側ってこと?俯瞰して見る側なの?ん?
しかもガウル視点のカメラファインダー参考画像(右)を見てください。何かに似てませんか? ……先ほど載せたユジンのHWWWのカットや『After LIke』のデザインっぽくないですか? 偶然なのかなあ。
私が最初の登場人物考察で「ガウルの役回りが一番曖昧」と困った理由はここにあります。普通の妖精かと思いきや、HWWWではユジンやレイと同じポジションにいるんです。
そんなガウルが望んでいるもの。
I HAVE A GOAL
この物語を終わらせたいってこと? 急に怖いやん。
こんな感じで2つの動画だけでも疑問に思う点があります。After LikeのMVが出たら解決するのかな。特にELEVENとLOVE DIVEで不明瞭だったガウルの立場が今よりわかると良いんだけど…。
雑記
期待している今後の展開
ELEVENとLOVE DIVEの流れからして『After Like』が”ナルシスが水中に飛び込んだ”ストーリーで構成してしてきたら面白いなあと思っています。どうしよう死後の世界だったら。一応心の準備はしてるけども。あとガウル大活躍してほしい~~~!!!
それから意味ありげな感じで出された「I'VE SUMMER FILM」がIVEナルシス世界観に関係するかしないかも判断したい。オマージュしてるんだろうなって映画(エコール)があるけどナルシスと上手く結びつけられなくて今回は考察に含みませんでした。
はあ。奥が深い。
どうしよう奥が深いと思ってるのは私だけでスタシ側が全く意図してないことだったら。いやでもそれでもいい。だって楽しいから!!!!!!
楽しい!!!!!
ひとまず、ここまでの考察をAfter Likeのティーザーが出る前に文章化することができて良かったです。After LikeのコンセプトフォトとティーザームービーとMVをしっかりみて、作詞家さんのライナーノーツも読んで、それからまた新しく考察したいなと思っています。
ここまで読んでくださった方へ。いちオタクの妄想に付き合っていただきありがとうございました。よい考察ライフを。
2022/09/04 追記
「After Like」がリリースされたため③部作をまとめた結果を書きました!作詞者さんが解説してくださった3曲の物語です。
このブログの製作者:えねみ